♪Meg♪の色々なんか・・・w

はい。♪Meg♪が色々なんか書いていきます。毎日は交信しないのでご了承ください。

「天つ風に」 エピローグ

 
 
 
数年もすると
お互いそれぞれ恋に落ち
結婚した
 
 
彼女はある劇団のオーケストラで
パーカッションを担当する男性と
 
私は管楽器奏者のグループで活動していた
トランペット奏者の男性と
 
 
今は子供もでき平和に過ごしている
 
私の子が何を演奏しているか?
 
そんなのもちろんトランペットよ
 
 
ちなみに彼女との交流は続いている
たまにミニコンサートだってする
なかなかお客さんの入りだっていいんだから
 
 
 
当たり前に過ぎていく日常の中で
 
私はいつの間にか
 
いつの日だか父に聞いた話を
 
自分の子にもしていた
 
 
 
まぁ、自分の子が私と
同じことをしているか
そんなことは知る由もないし
知る気もないけどね
 
 
ただ、
 
していないのなら
それでいい
 
 
 
しているのなら
ぜひ続けて欲しいと
今となってはそう思う
 
 
 
 
「天つ風に」 (終)

「天つ風に」 終わりの方




なんか最近、テクニカルな演奏になったよね

ただ最近の演奏は聴いてても
以前のあの感覚が味わえないんだよねぇ

でも上手いことには変わりないよね

うん…そうなんだけど


やっぱり


何かが失くなったよね



いつの日だか
そう囁かれる様になっていました



私の相方の彼女といえば
相変わらず母親へ祈りを捧げ
演奏をしている

最近は技術も進歩し演奏に艶が出たりと
メキメキ今も成長している


その傍ら、私はというと


何かが失くなった


そう囁かれたものの、
長年培ってきたものもあり
さして評判に影響はなかった



「天つ風に」 中の方 4

 
 
 
私たちの演奏は大成功に終わった
 
評判も良かった
 
被災地からもメッセージが届いた
 
とても感動しました
確かに届きましたよ
あなた方の演奏が聞こえました
 
 
私たちの演奏が届いた
多数寄せられたのでした
 
 
あまりにも評判が良かったので
それ以降、
私は彼女と活動をする様になりました
 
 
 
良くも悪くも時が経ち…
 
 
20歳となった私たちは晴れて成人し、
本格的に活動ができる様になると
彼方此方と引っ張りだこ
 
 
 
忙しさのあまり
いつの日だか私は祈ることを
忘れていました
 
 
 

「天つ風に」 中の方 3




ただ楽しんで、
人が喜んでくれるといいな
と思いながら演奏をしていた私は
少しショックでした

確かに素晴らしい演奏

それは母親への祈りの他ならないのです

なんて温かで悲しい祈りでしょう

本来ならば他人が聞いて
良いものではないだろう

それを彼女は生中継で全国放送する
チャリティーコンサートで披露することにした

ということは…



当時の私は彼女の
手助けができたらと思ったものです





「明日の本番で彼女の母親に…
いえ…被災地の人々、そして亡くなった方々にも
私たちの演奏が届きますように」


「空気さん、いつも音を
届けてくれてありがとうございます」


「明日も…どうか…」



「天つ風に」 中の方 2




初めて会うその子は
いたって普通の女の子だった
私と同じ17歳の女子高生


いざ合わせて練習しようと
トランペットを持つと
彼女は祈りだしたのでした


「お母さんに届きますように」


彼女はいつでも母親に向けて
演奏するのだと言った


彼女の演奏はどこまでも

果てしなく伸びやかに

響いていた



「天つ風に」 中の方 1

 
 
 
私の祈りは20歳まで続いた
 
 
それまでの私のトランペットは
やはり尋常でないようで
 
度々テレビに出たり、新聞に載ったり、
あるオーケストラにお呼ばれして
共演をしたりしていた
 
全盛期は17歳
 
女子高生トランペット奏者として
なかなかの活動をしていました
 
ある時、17歳の私に
大きな仕事が舞い込んできた
 
 
テレビ生中継の
チャリティーコンサートで
被災地の子と共演演奏
 
 
ある大きな震災があって
それのチャリティーコンサート
 
番組の人が企画し始めた頃
被災地の子が母親に向けて
トランペットを吹いたという
新聞の記事が話題になっていた
 
それで、その子と私で
トランペットを吹いてみてはどうかと
案が出たらしい
 
 
私にはトランペットを吹くぐらいしか
本当に能がないので、
それで誰かが喜んでくれるならと思って
参加を決めた
 
 
私はそんな気持ちで
その子と顔を合わせた
 
 
 

「天つ風に」 少し休憩




ねぇ
なんでそんなにあの子を
気に入ってたの?
あなたを神として
崇める人だって何人もいたじゃない

あぁ、なるほどね
純粋にね


でも残念だね

大人になるのは止められない

ただ信じるっていうのが
大人になると
どうも難しいみたいね