「天つ風に」 エピローグ
数年もすると
お互いそれぞれ恋に落ち
結婚した
彼女はある劇団のオーケストラで
パーカッションを担当する男性と
私は管楽器奏者のグループで活動していた
トランペット奏者の男性と
今は子供もでき平和に過ごしている
私の子が何を演奏しているか?
そんなのもちろんトランペットよ
ちなみに彼女との交流は続いている
たまにミニコンサートだってする
なかなかお客さんの入りだっていいんだから
当たり前に過ぎていく日常の中で
私はいつの間にか
いつの日だか父に聞いた話を
自分の子にもしていた
まぁ、自分の子が私と
同じことをしているか
そんなことは知る由もないし
知る気もないけどね
ただ、
していないのなら
それでいい
しているのなら
ぜひ続けて欲しいと
今となってはそう思う
「天つ風に」 (終)