転生 後編
「んでさ、どうしたの?」
彼女はお茶をテーブルに
置きながら聞いてきた
「えっと…ごめんなさい。
ここまで来たものの、覚えてないの。」「え、嘘。私のこと覚えてないの。」
「あ、そうじゃなくて、私何も覚えてないの。
自分の名前、さっき
あなたに呼ばれて知ったの。」
「気づいてあげられなくてゴメン!
話をしたかったのは、
◯◯が2年前に突然いなくなったって
いうのを聞いていたから。
そんな人が突拍子もなく現れたんだもん。」
「へぇ。2年前、私
突然いなくなったんだ。」
「なんか、私は死んじゃうんだって
置き手紙を残していなくなったって。」
「死んじゃう…」
…⁉︎
「待って…」
「大丈…「大丈夫…!」
死んじゃう…死んじゃう…
………死ん…だ…!
私、一度死んだ…!
悔しかった…!
思い出した…。
「…あやみ。」
「え?」
「思い出した。…私あの後、確かに死んだよ。」
「死んだって何⁉︎今ここにいるじゃん⁉︎」
「転生させてもらったんだ…」
「なんか…現実離れしすぎて
付いて行けないけど、
◯◯のことは信じるよ。」
「私、生き返ったんだ。夢を叶えるためだけに。」
(ほぅ。記憶を持ったまま転生するとは。
…大きな目的があるのか。珍しい。)
「大丈夫なの⁇」
「大丈夫みたい。思い出した!」
「なんか、力になれた
みたいで良かった。」
「うん。ありがとう。夢も思い出した。」
私は夢のために生き返った。
どんな夢か。それは教えない。
私の生きる糧だよ?
そんな大切なこと、
簡単に打ち明けたりしない…。
ただ叶えられる様に、
それだけは祈ってくれると嬉しいかな。
閻魔のお陰で2年も無駄になった。
これはグズグズしてられないな。
(これは恐ろしい子を
バイトにとってしまったな笑
この執念…本当に死んだ時
正社員としてでも働いてもらおうかね。)