転生 中編
私は転生したらしい。
なぜか子供として
改めて生まれるのではなく、
今までの姿でポンと
現実世界に放り出された。
それが分かったのは
しばらくしてからの事だったけれど。
いつどうやって現れたか
分からなかった。
そして、その時は自分が
何者なのかさえ分からなかった。
私は自分の存在を認識すると
何をすべきなのか分からなかったので
とりあえず近くの店に入った
「いらっしゃいませぇ!」
私は何を聞くわけでも、
何をするわけでもなく
店内の商品を物色し始めた
「…何かお探しでしょうか…あれ?」
「いえ、これと言っては何も。」
「…◯◯じゃん⁉︎」
「…?」
知り合いだった…?
「あれ?覚えてないの?
中学校、小学校で
同級生だったあやみだよ!」
「…ちょっと待って。」
「どうしたの…?」
…何か思い出しそう。
この雰囲気…何処かで。
「私、あと少ししたら
上がりだからウチおいでよ!
…ちょっと話聞きたいしさ。」
「あ…うん。」
私は何も覚えてないことを
言い出せなかった。