「お爺さんの不思議な話」 お爺さんの思い出8
彼女の秘密を話したその日、友だちも連れて
あの公園に行ったんだ。
「あっ!!聡くんっ♪・・・!?」
「・・・ごめん。秘密のこと、こいつに話しちゃったんだ。」
「やあ。初めまして。君が『風と友だち』の不思議な子か。」
「・・・なんで?・・・なんで、約束を破ったの・・・。」
「こいつなら大丈夫かなって・・・」
「私は聡くんにだけに話したの。聡くんのことを信じて・・・。
何でこうなるの・・・信じてたのに・・・!!
多分、次に起こること・・・私わかる・・・」
彼女は明らかに怒っていた。
・・・そして悲しんでいた・・・。
彼女の気持ちと同じであろう風が吹いていた。
激しく、湿った風・・・。
「なんだよ・・・この風・・・。気味悪い・・・。
やっぱヤバいじゃん!!俺、帰るから!!」
「帰ればいいよ!!帰ってよ!!何で来たの!!?
来なければ良かったのにー!!」
「あぁ・・・。ごめん・・・。」
「・・・あの子・・・やっぱり、ヤバいって言った・・・。
私、分かってた。いつもそうだから。
だから、友達もいなかった。
私が風と友だちだって聡くんに言ったとき、
聡くんは気味悪がらなかった。
だから初めて人の友だちが出来たと思った。
このことは今までに何回か人に話した。
誰も秘密は守ってくれなかった。
そして、結果はいつもこうだった・・・。
友だちが増えることはなかった・・・。
もういい。・・・聡くんも帰っ・・・て・・・。」
彼女は泣いた。当たり前のことだよね。
僕が悪かったんだ。秘密だって言われたのに。
あのまま我慢して言わなければ良かったんだ。
結局、彼女を悲しませただけだった。